年中出荷されており、家庭では毎日のように使用される「人参」。カレーでも、肉じゃがでも彩りを鮮やかに見せてくれるため、必ず入っている野菜です。また、人参は栄養が豊富とされており、健康目的で取り入れる人も多くなっています。

 

僕は長年、人参といえば皮をむいてから食べるものだと思っていました。しかし、その考え方は間違いかもしれないと思い始めます。その理由としては、「人参の皮に栄養が詰まっている」と聞いたからです。

 

今回は、人参を皮ごと食べると、本当に栄養が豊富になるのは本当か?について、実際のデータに沿ってお話していきます。そして、人参をどのように調理すると、最も栄養を高めることができるのか?例を挙げていきます。

 

また、皮ごと食べてしまうと、農薬の影響を受けるのか?についても、多角的な視点からお話していきますよ!

 

では、はじめていきましょう!

 

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人参の基本的な栄養素を知ろう

では、まずはじめに人参の基本的な栄養素とその働きについて、知っておきましょう。人参について、最も有名な栄養素といえば、「βカロテン」ではないかと思います。

 

 Bカロテンの役割

ビタミンAの一種。皮膚や粘膜の保護、目の健康を維持する栄養素として注目を浴びる。また、近年の研究によって、がん予防に効果が期待される。

 

人参といえばβカロテンが豊富で、高い抗酸化作用によって、肌や髪を綺麗に保つ役割が期待されています。この他、リコピンやカリウムも豊富で、「人参=健康野菜」として高い人気を誇っていますね。

 

では、実際にどれくらい栄養成分が含まれているのか、実際に日本食品標準成分表 2015年版(七訂)より、人参の「皮無し、生」の主な栄養素を抜粋していきます。

 

◯栄養成分表(文部科学省)

注目成分 含有量
βカロテン 8300μg
ビタミンB6 0.1mg
葉酸 23μg
カリウム 270mg
食物繊維 2.4mg
レチノール活性 690μg
カルシウム 26mg
ビタミンE 0.5mg

※可食部100g当たりの栄養

http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm

 

βカロテンは驚異の8300μg!こちら、皮をむいた人参の栄養素ですが、これだけでも十分な量の栄養素が含まれていると言えます。

 

では、人参の皮を残したままの状態だと、栄養はどのように推移していくのでしょうか?上記の表と比較して、栄養が大幅にアップするのだとすれば、人参を皮ごと食べることにメリットが存在することになりますよね。

 

データで確認していきましょう!

 

 

人参を皮ごと食べると、栄養がアップするのは本当か?データで検証

僕が今回、データを比較してみようと思ったきっかけは、「人参は皮の下に豊富な栄養が詰まっている」という情報を知ったからです。皮をむいてしまうと、その豊富な部分も切り取ってしまうため、栄養が落ちるという理論ですね。

 

では、実際に「皮なし 生」と「皮付き 生」の人参の栄養素を比較していきましょう。果たして、栄養素(特にβカロテン)の成分は増大するのでしょうか?

 

◯栄養成分比較表

注目成分 皮なし 皮あり
βカロテン 8300μg 8600μg
ビタミンB6 0.1mg 0.1mg
葉酸 23μg 21μg
カリウム 270mg 300mg
食物繊維 2.4mg 2.8mg
レチノール活性 690μg 720μg
カルシウム 26mg 28mg
ビタミンE 0.5mg 0.4mg

※可食部100g当たりの栄養

http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm

 

“未来”
 あれ....?そこまで、大きな差は無いように思えるのですが、どうでしょうか? 

 

βカロテンの成分表を見ると、300μgの差です。小さいわけでは無いですが、大きいわけでも無いような差だと思いませんか?

 

他にも、皮が無い方が含有量が増えている栄養成分があるなど、信憑性が薄いと言われても仕方がない数字が出ています。これは、栄養成分の図り方的に、「誤差が出てしまう」ということなのでしょう。このデータだけ見てしまうと、確かに栄養の量は皮が合ったほうが多いけど、そこまで差が無いことになってしまいます。

 

2015年の日本食品標準成分表が発表されて以降、人参の皮に栄養があるという通説が崩れてしまいました。多くの本で「にんじんの皮はむかないで!」と書いてありますが、実際の真偽は定かではないということですね。

 

どうして、皮の下に栄養があると考えられたのか?

実際、2015年のデータの一つ前にあたる「2010年版」でも、皮ごと食べる人参と皮なしで食べる人参では、成分に大きな差は無かったのです。

 

“未来”
では、人参は皮の下に栄養が詰まっているという話が出始めたのは、どうしてなのでしょうか?

 

その理由は、五訂増補日本食品標準成分表」にあります。こちらは、今回の2015年に発表されたデータの、「2つ前」のデータに当たるのですが、この時のデータが説の原因になっています。

 

◯五訂増補日本食品標準成分表によると...

βカロテン含有量
皮なし 8200μg
皮あり 9100μg

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802/002.htm

 

なんと、この成分表では、900μgもの差があるとされているのです。ここまでの差になってしまうと、確かに見逃せない数字ですよね。この栄養含有量の差を見て、「人参は皮付きで食べるべきである」という見解が生まれたわけです。

 

ただ、後々測定してみると、どうも皮なしと皮ありでは、そこまでの差が無いものという結果に。つまり、結論をお話しますと、「皮ごと人参を食べても、皮をむいて食べても、どっちでもいい!」というわけですね。

 

皮ごと食べると農薬による危険があるのか?

人参は、皮なしで食べても、皮ごと食べても栄養に大きな差が無いことがわかりました。皮をむいても、皮ごと食べても良いということで、みなさんの好きな方を選んでいただければと思います。

 

ただ、皮ごと食べてしまうと「農薬まで食べてしまうのではないか?」と心配になる方もいると思います。人参の皮をむかないと、農薬による影響が出てきてしまうのでしょうか?

 

結論からお話しますと、人参を皮ごと食べたとしても農薬による影響は無いものと考えてください。これは、以下のような理由があります。

 

人参を皮ごと食べても農薬の危険性が無い理由
①人参は地中で育つので、農薬がかからない
②もし、地中まで農薬が浸透していたとしても、危険な量ではない

まず、人参は地中で育つ野菜になります。そのため、人参に直接農薬が散布されることは無いのです。そして、もし人参に農薬がかかっていたとしても、人体に影響があるほどの農薬を摂取することは無いと言えます。もし、農薬が気になる場合は無農薬の野菜を購入するか、人参の皮を重曹に入れて洗うなどの方法が考えられます。

 

皮ごと食べたい!という場合は、農薬を気にせず食べても大丈夫であることを知っておきましょう。

 

人参の栄養素を最大限まで高める食べ方

最後に、人参の栄養素を最大限まで高める調理方法や食べ合わせの工夫についてまとめていきます。人参の栄養を高めるためには、どのような調理方法が適しているでしょうか?

 

まず、人参の調理法についてお話します。人参の調理法は「油で炒める」という方法を選ぶと、最も栄養価を高めることができます。人参に多く含まれているβカロテンは、油で炒めることによって、吸収力されやすくなります。

 

βカロテンは強い抗酸化作用を持ち、体の老化を防いでくれる栄養素になりますので、積極的に摂取するようにしたいですね。

他にも、ビタミン類を豊富に含んでいるため、栄養バランスを気にするならば、人参を料理に使ってみましょう。

 

 いわしと一緒に食べると...

いわしを含め、青魚類との相性は抜群です。いわしに含まれるEPAやDHAという健康成分は、血液中の中性脂肪を下げる効果があります。また、血流の改善によって、心臓病のリスクなどを軽減してくれるのですが、その反面で体内で酸化しやすい栄養素でもあるのです。人参は酸化しやすいEPA・DHAの酸化を防ぐという点で、非常に食べ合わせが良いと言えるでしょう

 

まとめ

今回は、人参を皮ごと食べた場合と、皮を向いて食べた場合の栄養の違いについてまとめていきました。過去の計測では、皮ごと食べる場合と皮むきで食べた場合で大きな差がありました。

 

しかし、最近のデータを用いると、人参を皮ごと食べてもそこまで大きな栄養の差は生まれないことがわかっています。このことから、皮をむいても、皮ごと食べてもどちらを選択しても良いという結論が出せそうです。農薬の危険などはそこまで神経質になる必要はないため、安心して食べられそうですね。

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